平成30年12月21日
福井県立恐竜博物館
担当者: 一島、中村
電話: 0779-88-0001
メール: info@dinosaur.pref.fukui.jp
紹介: http://www.dinosaur.pref.fukui.jp/
日本初のイッカク科化石に関する論文が発表されました  このたび、当館の一島啓人総括研究員が中心となって取り組んできた共同研究により、北海道羽幌町で発見されたハクジラ化石が日本で初めて発掘されたイッカク科の化石であることを確認したとの論文が古生物関連の専門学術雑誌「Papers in Palaeontology」に掲載されました。
 イッカク科の化石は世界でも稀で、鮮新世以前の時代(約400万年前)のもので詳細な分類学的検討が可能な標本はこれまで3例(ベルギー、メキシコ・バハカリフォルニア州、アメリカ・バージニア州)のみであり、そのうち学名がつけられたものは2つしかなく、今回発表された標本は、学名のついたものとしては世界で3例目になります。


1 論文のポイント
  ・イッカク科の化石としては日本初の発見
    ・新属新種「Haborodelphis japonicus」(ハボロデルフィス ヤポニクス)と
   命名
  ・学名がついたイッカク科化石としては世界で3例目
  ・イッカク科の祖先種の生態推定と進化に対して新たな仮説を提唱
  別添「日本初産出のイッカク科化石に関する論文発表について」参照

2 論文のタイトル
  「First monodontid cetacean (Odontoceti, Delphinoidea)
    from the early Pliocene of the north-western Pacific Ocean
 (北西太平洋で初めて見つかった前期鮮新世のイッカク科の化石)」

3 論文の執筆者
  一島 啓人   (福井県立恐竜博物館 総括研究員)
  古沢 仁 氏  (札幌市博物館活動センター 学芸担当係長)
  橘 麻紀乃 氏 (大阪自然史センター)
  木村 方一 氏 (北海道教育大学名誉教授)

4 論文の掲載雑誌
  「Papers in Palaeontology」 オンライン版 [https://online
  library.wiley.com/doi/full/10.1002/spp2.1244]
   イギリスの学術協会[The Palaeontological Association]が発行
  
5 論文の掲載年月日
  平成30年12月7日(金)

6 その他
  論文の詳細については、一島総括研究員にお問い合わせください。